【江戸雑学草子】 第16回
2003年11月25日
シラウオ慕情
一週間前ほどに、島根県宍道湖(しんじこ)で、シラウオ(白魚)漁が始
まったと言う新聞記事を見ました。
大変高級魚に出世して、そうめったに見ることはないなー。
ハゼ科のシロウオ(素魚)とよく混同されているようですが、
両方とも、小さい魚なので、ぱっと見、わからないかも知れない。
それぞれの鰭(ひれ)の形や位置が違い、
また、シラウオの頭部は、シロウオより細くとがりスマートなので、
魚相で区別が付くでしょう。
この、今じゃ貴重なシラウオは、江戸時代、隅田川の河口で、豊富に捕れ
たそうです。
シラウオは、澄んだ水でないと繁殖しない、
と、言うことは、
当時の隅田川がいかにきれいだった事を証明しています。
下水も、工業用水も流れ込んでこない時代でしたものね。
主に、佃島沖で漁をやったそうです。
3mぐらいの竹竿二本を、ちょうど真ん中で、十文字に固定し、
竹竿の四つの先っちょに網の四隅をくくりつけている。
これを、四つ手網と呼ぶ。
それを、しばらく沈めておいて、漁師が左手で竹竿を引き上げると
網は、大きな屏風の様に立つ。
網にかかったシラウオは、
その網の底辺に、跳ねながら、
流れ落ちるように溜まると、
その漁師が、長い柄の先につけた小さい網を右手に持って、
すくいあげ、舟の胴に置いた大きな魚籠(びく)に入れる。
「エンカルタ総合百科」によると今でも、四つ手網を使って漁をすると書
いてある。
いつか、宍道湖に行って、シラウオ漁を見学したいものだ。
見学の後は、熱燗と一緒に、シラウオの「躍り食い」を楽しみたい。
150年以上前の佃島と比べると、今の佃島は、埋め立てて、えらく広く
なっている。
今日(25日)も、晴海に停泊している客船へ納品の行き帰りに、
佃島を通過したのだが、
新川と佃島を結ぶ中央大橋を渡る時、
ああ、ここら辺で、シラウオ漁をやったんだなー、
なんて、古い時代を忍びました。
夕方(25日)、料亭ゆかりの若旦那が、ヤギ薬局に来たので、
シラウオを出すことがあるかと聞いた。
市場で、良いものが入ったら、使うそうだ。
しかも、最近では、穴子の稚魚や、釜ゆでしないシラスも使う。
なにせ、シラウオは、死んでしまうと、透明なからだが、白くなるから
それこそ、市場から着いてすぐ食べなくてはならない。
「じゃ、今度、シラウオが入ったら、教えておくれよ」と、
ゆかりの若旦那に頼んでおいたが、何時のことになるのやら?
あす、もう一度念を押しておこう。
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